良く訊かれる質問の一つに台湾での会社や支店設立時の資本金額があります。他の国と比べても台湾の資本金に関するハードルは低い方だと思いますが、しっかりビジネスをして台湾に貢献する必要があるようです。
資本金10万台湾元(外国人就労許可が不要な場合)
以前は台湾の法律で最低資本金額が決められていましたが、現在その条項は削除されています。ただし「資本金は会社設立に直接必要な費用以上でなくてはならない」とされており、結果として1元で会社を設立するということはできません。
台湾人と結婚、もしくは永住権を取得して、既に個人で就労許可を持っている場合、台湾人を会社代表者にする場合など、外国人就労許可に関係なく、かつ顧問業(コンサルティング)や翻訳業などそれほど資本を必要をしない業種の場合、概ね資本金10万台湾元での会社設立が多いようです。
資本金50万台湾元(外国人就労許可が必要な場合)
新しく設立する会社の責任者として就労許可を取る場合、資本金が50万台湾元以上必要です。
ただ資本金が少ないと初回の就労許可期間が短くなる可能性があります。この辺の審査基準は一切非公開ですが、資本金を多くすれば就労許可期間が長くなる傾向があります。また台湾の銀行から外国人が借入を行うことは非常に困難ですので、資本金はできるだけ多く準備した方が良いと考えます。
旅行業など一部の業種ではもっと高額の最低資本金額が決められている場合がありますので、事前に確認が必要です。
年間売上300万台湾元
初回の就労許可が期限間近になり、就労許可の延長を申請する場合、過去3年間の平均、もしくは直近一年で300万台湾元の売上が必要となります。台湾拠点開設後、すぐに売上を上げられるよう、またもし上手くいかなければどうするかなど、十分な計画や準備が必要だと思います。
資金不足で台湾で起業するのは厳しい
良く確認されるのですが、年間300万台湾元は「売上」です。日本で既にある程度の規模のビジネスを行っている中小企業の方にとっては、このハードルはそんなに高くないと思います。
逆に個人の方で、「台湾に住みたいから、台湾で安く会社を作りたい」という方には厳しいと思います。まずはどういうビジネスをするかしっかり考えておかないと、日本人が個人で十分な資金を持たず台湾で起業するのはお薦めできません。