台湾起業失敗あるある、資金計画を全く立てていない台湾起業希望者

資金計画(イメージ)

日本人個人が台湾で起業する場合、正直「同じ日本人なのか」と驚くほど常識に欠けた方が多いです。その理由の一つは資金計画を全くやっていないことです。相談事例を若干のフィクションを入れながらご紹介します。

自転車のレンタル屋を始めたい

台湾中部で観光客向けに自転車レンタルを始めたいという相談者。相談者自身で何も検証も検討もせず「どうですか?」「上手く行くと思いますか?」とこちらに丸投げ。こちらも「大してノウハウ無くても、確実に儲かる商売が分かっていれば、こっちで先にやっていますぜ」とは言わず、商売なので優しく質問します。

こちら:どのくらいの料金で貸そうと思っているのですか?

相談者:えっと・・・(無言30秒)、日本円で1,000円くらいですかね?

こちら:1名あたりですね、何時間貸すのですか?

相談者:えっと・・・(無言30秒)、半日くらいですかね。
こちら:1名半日借りてくれるとして、1日何人借りに来てくれますかね?

相談者:えっと・・・(無言30秒)、10名くらいでしょうか?
こちら:そうすると単純計算すると1000円×10名×30日で収入は30万円ですね。経費を差し引く前ですが。

相談者:はぁ・・・(無言30秒)

こちら:失礼ですが、英語や中国語はお出来になりますか?

相談者:えっと・・・(無言30秒)、それは従業員を雇います。

こちら:そうすると1名を1か月を雇うと日本円で10万円くらいは見ておかないといけないですね。

相談者:はぁ・・・(保留忘れ30秒、その間電話の向こうで配偶者?から「無料なんだから今質問できることはしなきゃ!」とお叱りを受ける相談者)

途中で配偶者と相談するのか、返事のために毎回30秒無言が入ります。その内、保留にするのを忘れて、配偶者?の方に怒られる相談者。本当は配偶者?の方が起業したい本人の立場に近いかも・・・なんて思いながら内輪もめを聞いていました。結果的には相談者自身が諦める形で「また検討してご相談します」ということで相談は終了しました。

美辞麗句にあふれた計画書

今度は台湾の某都市で一室借りて民泊を始めたいという日本人起業者。「中国語を数年勉強している」など牽制も含めた上から目線はばっちりです。相談前に立派な計画書も送られてきました。夢に日付を入れているところは某飲食業の社長のアドバイスなのでしょうか?

でも計画書には1泊いくらで貸すか、毎月何組のお客を受け入れるかなど、お金の話が全く書かれていませんでした。さらに民泊を始める予定の物件の大家さんに「友人たちが泊まる」と嘘をついていることを堂々と計画書に書いており、こちらもびっくり。

台湾では民泊は違法です。さらに大家さんに嘘をついている時点で確信犯です。もし日本で外国人が違法民宿を運営し、大稼ぎしていたら日本だとどう受け取られるでしょうか?この事例では相談そのものをお断りしました。

ビジネスはお金に換算して検討しよう

どうしても個人による台湾起業では「最低資本金はいくらか?」とか「台湾の労働許可はどうやったら取れるか?」などが気になりますが、ある程度しっかりした資金計画がないとビジネスは続けられません。

「資金計画 起業」などで検索すると色々な情報が出てくると思います。まずは日本の数字を当てはめても良いので、まずは資金計画を作成するとビジネスの可否がある程度見えてくると思います。資金計画通りにビジネスが進むとは限りませんが、資金計画という仮説も立てずに検討するのは難しいと思います。

資金計画を通した「仮説」の検証

よく「資金計画を見てください」という人がいます。頭に「ぱっと」「一通り」と簡単そうに、またそのことを理由に無料で頼もうとする人も良くいます。実質「儲かりますか」と尋ねるのと同義で意味が余りないように思います。

もし資金計画の確度を高めたいのであれば、個々の収入や支出項目について相談者自身の「仮説」が正しいかどうか調査を依頼いただき、調査書を出す形の方が相談者・当社双方にとって明確で良いと思います。

最終的に儲かるかどうかは相談者ご自身で判断するしかないのですが、少しでも感覚で判断している部分を減らすことでより確信を持って決断できるのも事実です。当社でも(特にお金をもらった場合は)感覚で答えるのではなく、それなりの根拠をもって答えるようにしています。

当相談所は、高度な日本語・中国語による調査能力と柔軟な実行力で台湾会社・支店設立をサポートします。

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