台湾の統一發票(統一発票)とは?

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本記事は「台湾で起業」運営会社変更以前に「平凡人@台湾」が書いた記事です。情報が古く、至らない部分も目に付きますが、当面はこのまま公開を続けさせていただきます。台湾起業・進出の最新情報については新しい記事をご確認頂けると幸いです。(平凡人@台湾)
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台湾では公的(国税局に通用する)領収書は、全て「統一發票(統一発票)」と呼ばれ、政府によって記載すべき事項や書式も細かく決められています。コンビニエンスストアーなどでもらう細長いレシートもよく見ると「中華民國99年3-4月份 収銀機統一發票 (收執聯)」と記載されており、やはりこれも政府によって定められた書式に基づいた統一發票です。
ここまで面倒なことをする理由は税収安定、もっと簡単に言えば脱税防止です。この目的のために以下のような合理的な仕組が組まれています。

  • 会社名義で何かを買う(費用として計上する)には、必ず統一發票が必要です。(=会社間での取引では必ず統一發票が発行されることになります)
  • 個人で何かを買う場合でも、できる限り統一發票を持って帰ってもらうために統一發票の通し番号を元に抽選を行い、宝くじの様に200台湾元~200万台湾元までの賞金が当たる制度も併せて導入されています。(ちなみに会社宛に発行された統一發票は当たっても賞金を受け取ることはできません)
  • 全ての統一發票には通し番号が振られており、一枚一枚国税局により管理されています。
  • 全ての統一發票は2ヶ月に一回、原則として国税局から会社・個人事業者に渡されます。足りないからといって他社から借りたりしてはいけません。(=国税局は通し番号何番から何番までの統一發票を誰に渡したかは全て把握しています)
  • 全ての統一發票は2枚もしくは3枚1セットになっており、顧客に渡した統一發票の写しを国税局に渡さなくてはいけません。(=どんなものが幾らで売買されたかが国税局に分かってしまいます)
  • また未使用の統一發票はそのまま2枚もしくは3枚1セットで国税局に返却しなくてはなりません。

統一發票のこれらの仕組による効果はてきめんで、導入前の1950年と導入後の1951年を比較すると税収は76%の増加となったようです(余りの差があったので再度確認しましたが2900万→5100万台湾元と、確かに大きく増加しているようです)。
ただ個人での買い物の場合は、賞金があっても当選確率が低い、照合するのが面倒などの理由で、やはり統一發票を受け取らないことも多く、(要求されない限り)個人に対しては統一發票を出さないなどの方法で売り上げを少なめにごまかす事例もあるようです。
台湾に住んでいる方で「發票出すなら価格が+5%になるよ」とか言われたりした経験をお持ちの方は多いと思います。こういった言葉の裏には上記のような事情があるのです。
※ご注意:本記事は実体験を元に書いていますが、制度の変更や行政解釈の違いもありえますので、あくまでも本記事は参考情報に留めるようにしてください。

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