金門・陳詩吟洋樓

金門・陳詩吟洋樓

こちらは1933年に建てられた「陳詩吟洋樓」です。狭い小道を通り抜けると見える急に見える立派な洋館です。これは中央正面玄関の部分が左右より前にあるので、上から見ると「凸」のような形になっていることから「出龜式」と呼ばれる建築様式です。

金門・陳詩吟洋樓

正面玄関の左右にはカラフルなタイルが貼られています。これは恐らく日本から輸入したものだと思います。こういう洋館を建てたのはシンガポールなどの南洋で商売に成功をしたお金持ちが故郷に錦を飾る意識もあって建てるものです。金門の洋館では日本のタイルを使っている例は良く見かけます。

金門・陳詩吟洋樓

窓や欄干、屋根の部分も非常に凝っているし、お洒落ですね。ちなみに窓はかなり重厚ですが、中には鉄格子の窓もあり、かなり安全重視のものでした。この当時盗賊などが出没し、金門も治安が大変悪かったので、一族郎党を守るためにも家には防御機能が強く求められたのです。

ちなみに金門のタクシー運転手のおばさんとこの洋館の話をしたとき、あっさり「あれはうちの親戚のものだよ」と言われました。

金門では現在こういう歴史建築の修復を積極的に行っており、洋館を10年間無償で貸すと修復して一般に公開した後、修理された状態で戻ってくるそうです。

政府に売却することも出来るらしいのですが、「土地や洋館は一家の財産、10年待ては修理された状態で一族の手元に戻ってくるのだから良いじゃないか」ということで売らないことに決めたそうです。金門からは多くの成功した華僑が出ているらしいのですが、この言葉を聴くと納得です。

あとこの運転手さんの話でもう一つ受けたのは「金門に戻ってくる時は2パターンある、一つは成功して故郷に錦を飾る場合、2つ目はすっからかんになって売れる金目のものは残っていないか実家をあさるパターンだよ(笑)」・・・素晴らしいたくましさですね。金門に行ってなんだか自分の中の起業欲がまた刺激されたような気がしました。

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