第一外科診所(旧管野外科醫院)

第一外科診所(旧管野外科醫院)

写真だけだとよく分からないかもしれませんが、この病院は元々3階建てだった古い建物の外壁を新しい高層ビルに取り込む形で保存しており、実物は結構目を引く建物です。古い建物は元々「管野外科醫院」といい、日本統治時代の昭和9年(1934年)、管野尚夫医師によって設立された個人病院でした。

その後、色々な経緯を経て方錫玉医師に転売され、「第一外科」の看板が掛けられることになります。「第一」と号したのは台湾医学の先駆けを切り開くという意味が込められています。

この方錫玉医師は台北帝國大學附屬醫院(現在の臺灣大學醫學院附設醫院、略称「台大醫院」)に勤務したいたとき、骨髄内輸血を開発し、1932年に台湾初の骨髄移植手術を行うなど、優れた医師でした。

第一外科診所は1960年代に現在の住所に移転しました。その後1999年9月21日の921大地震の時、建物に亀裂が入ったため、方錫玉の子、方宏明が改築を計画したとき、台北市文化局とも協力した上で、2003年5月5日に歴史建築に指定され、その後外観を保存する方式で改築が行われました。

改築後も丸い窓やタイルなど昭和初期の建築様式は残されていますが、外見だけ残して内部の構造が全く変わってしまうこういった保存方法を批判する意見もあり、町の再開発と歴史建築物の保存をどう両立させていくかと言うのは難しい問題です。

台北市文化局のページに改築前の写真がありますので興味のある方は比較してみてください(関連ページ)。

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