台湾で教習所に通って運転免許を取得

台北市のとある駕訓班(自動車教習所)
車そのものには興味あったものの、教習所に通う時間もなかなか捻出できず、日本では運転免許すら取っていなかった私。ちょっと前になりますが、決心して台湾の自動車教習所に通い、免許を取りました。

台湾では郊外に行くには自家用車

台北市内などの都会であれば、タクシーも初乗りも70台湾元と安いし、ドアの前まで乗り付けられるタクシーを使った方が効率的だと思います。工業団地や行楽地など郊外にいく場合は、鉄道+タクシーの乗り継ぎよりも、車で直接行った方が早いです。そもそも郊外は余り流しのタクシーもありません。

台湾の「駕訓班(自動車教習所)」

色々情報収集したのですが、どの「駕訓班(自動車教習所)」も商売なので極端に悪いところはないように思います。教官によって当たり外れはあるようですが、余り考えても仕方がないので、まずは下見も兼ね、通いやすい場所にある駕訓班に行き、結局その場で申込をしました。ちなみに契約は政府制定の定型契約書となっており、どの駕訓班でも変わりはないはずです。
開講日は試験日から逆算して決めており、申込時には「1月3日開講・2月6日修了・2月6日筆考(学科試験)・2月7日路考(実技試験)」と全てのスケジュールが決まります。開講から実技試験までは5週間程度が標準です。費用は駕訓班や時期によって違うようですが、1万台湾元ちょっと位、この記事を書いている時点での換算レートだと3万日本円程度になります。
ちなみに監理處(管轄機関)に行って試験を行うという方法もあるのですが、最短でも3ヶ月練習してからでないと受験できません。よって教習所に通うのが手っ取り早いと思います。

必要書類など

駕訓班に申し込みした後、講習開始までに必要な書類を揃えます。外僑居留證(外国人居留証)のコピーや証明写真など(確か6枚)です。詳細は駕訓班の指示に従ってください。
証明写真はパスポートの申請に使うサイズより小さめです。私は面倒なのでそのままにしたのですが、運転免許証に写真を貼る際、大きすぎて四周がカットされ、顔が枠内にいっぱいになってしまいました。
ちょっと面倒なのは、身体検査くらいでしょうか、検査項目は大したことないのですが、指定の病院(複数ありますが)で行う必要があります。駕訓班から渡された指定のフォーマットに記入してもらいます。確か費用は250元くらいだったと思います。

月~金は毎日講習

最初の数回ハンドル操作や車の構造についてビデオ講習を受けた後、月~金は毎日同じ時間に駕訓班に通い、駕訓班内のコースで運転の練習をします。日本で言う「技能教習」に相当します。
最初は教官も隣に座ってくれるものの、ある程度大丈夫そうだなと思ったら、「じゃあ自分で練習しておいて~」となり、タバコを吸いに行ったり、ほかの教官と話していたりということも多いです。
私の場合は外国人で珍しかったせいか、色々話しかけられたのですが、教官曰く「運転中に隣に人と話すのは普通の状況だろ?わざわざ実践的な練習の機会を与えてやっているんだよ~」そうは思えないんですけど、まあ関心持っていただいているのはいいことです。
路考(実技試験)の項目を一通り指導し終わり、生徒がある程度できるようになってくると、教官は余り同乗せず、1人で自由に練習することになります。この頃になってくると運転が楽しくなってきて、後ろに教習車を使う予定がなければ、心行くまで駕訓班内のコースをグルグル回っていました。

路考(実技試験)は結構難しいかも

路考(実技試験)本番も駕訓班のコースで行われるので、教官もコース上のどこでハンドル操作を行うか、そしてどちらにどのくらいハンドルを回すか(たとえば右に四分の三回転など)も教えてくれます。
路考(実技試験)はコースによって順番が前後するかもしれませんが、内容は、直線走行→車庫入れ→縦列駐車→S字カーブ前進→S字カーブ後進→坂道発進→踏切停止→信号停止、という流れです。コースの左右にセンサーがあり、車輪が踏んでしまうとけたたましい警報音とともに減点されてしまうので、意外に難しいと思う方もいるかもしれません。実際路考不合格者は毎回いるようです。
本番でもハンドル操作時などに一時停止しても別に構いません。ただし一度動作に入るとやり直しはできません。万一ハンドルを回すタイミングがずれたり、ハンドルの回し方が多すぎ・少なすぎたりして、規定コースを外れそうになった時に、ちょっと前の位置に戻るということはできないのです。
特に皆難しいというのがS字後進なのですが、規定コースを外れそうになった時、慌てるのか、間違えてコースからより外れる方向にハンドルを切ってしまう人が多いように思えました。
そういったピンチのときのために、練習時もやり直したりせず、どっちにハンドルを切れば規定コースに戻せるのかを見てみると良いと思います。
ちなみにほとんどの駕訓班は「保證班(合格保証コース)」になっていると思います。ちゃんと毎日通って練習していても、緊張しすぎたりして、路考(実技試験)不合格の場合は無料で追加講習を受けられます。安心(?)ですね。

筆考(学科試験)も油断禁物

筆考(学科試験)対策については土曜日にビデオ講座があったりしますが、自分で教本を見て勉強するのが主になると思います。
実際の学科試験は押しボタン式の電子端末で実施されるのですが、駕訓班にもほぼ同等の模擬端末が用意されており、いつでも練習できます。また電子端末で出題される問題は監理處という管轄機関のウェブサイトに全問掲載されています。
よって、ちゃんと勉強すれば不合格はまずないはずなのですが、でも甘く見て準備不足のまま臨み、不合格になる人は良くいるらしいです。筆考不合格だと路考(実技試験)も受けられません。
2~3週間後の次回の試験まで練習しないわけにも行かないので、駕訓班に追加料金を払わなくてはいけません。駕訓班の「保證班(合格保証コース)」は筆考(学科試験)不合格は対象外です。

路上実習

台湾では、警察が指定する交通量の少ないルート・時間帯に、運転免許を持っている人が一緒にいる状態であれば、路上練習することができます。多くの駕訓班では2~3週間毎に行われる路考(実技試験)実施日は駕訓班内のコースが使えないので、この日を路上実習に充てている事が多いです。
私の場合、路上実習は教官1名+生徒3名が1台の車に乗って行われました。指定ルートに到着後、生徒が交代で運転、1時間半くらいで終了です。正直物足りなかったですが、免許さえ取れればいくらでも運転できるのですから、もう少しの我慢です。

本番当日&免許交付

まず1日目に筆考(学科試験)があります。これは監理處(管轄機関)に行って行います。先述しましたが、押しボタン式の電子端末で実施され、すぐに点数が出ます。試験問題は日本語も用意されていますが、微妙な翻訳なので私は中国語で受験しました。慎重に準備していただけあって、100点満点でした!
2日目は路考(実技試験)です。監理處から派遣された試験官1名+生徒3名が1台の車に乗って行われます。慎重にいきたいところなのですが、試験官が「時間押しているから、もっとアクセル踏んで!このままだと陽が暮れちゃうよ~」とうるさいので、結局サクサク進め、あっという間に終わりました。
「お、筆記100点じゃない、すごいなー」とか試験官に言われている間に坂道で一時停止するのを忘れてしまったりとかで、結局86点だったのですが、無事一発で合格できました。久しく試験らしい試験も受けた記憶がないので、懐かしい嬉しさがこみ上げてきたのでした。
駕照(台湾の運転免許)
数日後、駕訓班より駕照(運転免許証)が届いたと連絡があり、早速取りにいきました。駕訓班内のコースで練習して運転が面白くなってきたこともあり、早速車を買うことを決意して駕訓班を後にしたのでした。
※外国人の場合外僑居留證(外国人居留証)の期限を越えない範囲で運転免許の期限も設定されますが、私の場合は永住権を持っているので、6年過ぎた後の誕生日が期限に設定されていました。
2012/12/20 追記:最近は外僑居留證(外国人居留証)の期限に関係なく、6年過ぎた後の誕生日が期限になるようです。funnymouth様情報ありがとうございました!

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