専門分野って作れるものなの?

「専門分野」とか、「オンリーワン」とか、「これだけは誰にも負けないもの」などを持てという言い方をしますが、そんな簡単に専門分野なんてできるのか・・・という違和感を私はずっと感じていました。最近いろいろ話をしていたので、そのときの話を自分のためにもメモしておきたいと思います。
まず「オンリーワン」は相対的なものです。世界で一番とか、日本唯一とかでなく、周囲の人と比較して一番であればそれで十分なのです。もし周囲の人のレベルが高い場合、環境を変えれば自分が一番になる可能性もあります。
私の場合、最初の会社では帰国子女組やら留学組がたくさんいて、TOEIC900点台が当たり前という世界、英語に苦手意識がありました。でも次の会社に転職した瞬間になくなりました。なぜなら転職先ではほとんどの人は英語が余りできなかったからです。
次に「浅く広く」も「合わせ技」で強みになる可能性があります。私の場合は「そこそこ」詳しい知識+「そこそこ」話せる中国語がまさしくそれです。あ~あ、自分で言ってしまった、でも本当大したこと無いんですよ。
「Web制作・運営」「携帯アプリ制作・運営」「通信技術(海底ケーブルなどのレイヤー1、もしくは電話交換機の話が中心)」「工業用ダイヤモンド砥石」「半導体製造設備」、「グリーンエネルギー(太陽電池や風力、電力網への接続)」「通信自由化」「条件付売買契約」などなど・・・
他人に聞かせると「何じゃそりゃ」といわれるような分野が多いですが、「そこそこ」詳しくて、「そこそこ」の中国語で説明したり・議論したりできる。またこういった領域に隣接した分野もある程度議論できるだろうし、雑学レベルも組み合わせれば、日台ビジネスにおいて、更に対応できる範囲が広くなる、こういうことです。
3つめですが「強み」には偶然の要素がかなり強い、逆に言うと狙って「強み」を作るのはかなり難しいということです。
私の場合、通信業界で新入社員のときは旧郵政省(現総務省)対応をおこなっていました。当時は通信料金とか、通信設備の変更、他社とのネットワーク相互接続(地下鉄とか電車の相互乗り入れのようなものです)とか、色々なことで、毎回旧郵政省に申請して認可をもらわなければなりませんでした。
まず、契約や約款などの法務系の話が苦痛で仕方がありませんでした。また設備や技術的な話の場合、官公庁相手に説明するため、概略図(通称「ポンチ画」)を作るのですが、複雑なことを無駄を省いて簡単に書くというのは実に面倒な話で、「なぜ私だけこんな目に・・・」とか考える憂鬱な日が続きました。
でも今は法務的な話が理解できること、「ポンチ画」が作成できること、両方が仕事の面で大いに役に立っています。よって昔の先輩や上司にはお詫びの気持ちでいっぱいです・・・若気の至りとはいえ、あの時生意気だったしな・・・
ということで、今の仕事を頑張る事も将来につながる可能性があるということは言えると思います。
最後ですが、数少ない狙って作れる強みとして、語学を勉強するのは悪くない選択だと思います。あとは資格というのもあるかもしれません、弁護士とか公認会計士とか取得が難しく、取得人数が少ないような強い資格でないと厳しいと思います。
「英語はみんな話せる」から勉強するのはお得じゃないという人もいますが、実際のところ、英語が本当の上手な人はそんなにいるものではありません。私は正直MBAとってたりとか、英語で何かを学んでいる人には憧れます。実はどの言語であれ、外国語を極めるのは、普通の人にとってはそれなりに時間がかかることであるということが言えると思います。英語の場合、中学から学んできたことも活かせますし、使用人口を考えると悪くないと私は思います。
第二言語に関しては、余り損得で選ばず、本当に興味がある国の言語を学ぶのが良いと思います。私の場合、中国語は好きで勉強したのであって、勉強し始めた当時は中国がここまで経済成長すると予想していた人はほとんどいませんでしたし、今でも台湾にはかかわっても、中国には余り関係ない生活です。
あと皆にも見る目が無い場合もあります。例えば昔大学の先輩で「インドネシア語」を勉強している人がいて、マニアックだなーと思っていたのですが、「インドネシア語」は実はマレー語と兄弟で東南アジア地域の共通語の一つであることを随分後で知りました。最近だとインドネシアが1億以上の人口大国で、政治も安定し、親日的なかつ、経済成長を続けていることもあって、注目されています。
結論ですが、ちゃんと頑張って仕事したり、夢を持って勉強したりすることでそれなりの強みができてくるものなのです。平凡かもしれませんけど、時間をかければ普通の人にだってできることはいっぱいあると思います。

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