台湾人はなぜ親日?シンガポール華字紙に掲載された中国人読者による分析

Internet Archiveより

日本の台湾・中国関係の報道は誤訳に近いものも多く、日本語での報道内容を見ていて不自然さを感じることがあります。2011年5月に掲載された以下の記事もそうでした。

記事を見るとシンガポールの華字紙「聯合早報」が分析しているように読めるのですが、どう見ても中国の方が書いたとしか思えない内容。読んでいて疑問を感じたので、原文を探してみました。
原文(簡体字)らしきものは確かに当時の「聯合早報」のウェブサイトにあったのですが、実際は「広州 張楚子」のペンネームで掲載された読者投稿でした。やはり中国の方の書いたものだったのです。

断言多し・・・でも確かにちょっと新鮮な部分も

原文を読んでいても、勝手に台湾人を代表して「歷史上日本是台灣的敵人(歴史上は日本は台湾の敵)」とお決まりの断言をしてしまうなど、よく見るパターンですが、同時に「現實上中國大陸是台灣的敵人(現実的には中国が台湾の敵)」とか、「日本是台灣人最喜歡的國家確是我們不得不承認的客觀事實(日本が台湾のもっとも好きな国であることは否定できない客観的な事実)」とか読んでいて新鮮な表現もありました。

結論の日本語訳は微妙かな・・・

でも結論としては「我們軟實力和硬實力都得能夠做到讓他們信服與敬重(我々のソフト・パワーやハード・パワーも台湾人に納得、尊敬されるほど高めなくてはならない)」となっています。もちろんこのときの「我々」とは中国のことです。
ここを日本語の記事では「ソフト・パワー」を「ソフト面」や「ハードパワー」を「ハード面」と言い換えていますが、これはおそらく印象を和らげるためだと思います。
「ソフト・パワー」とは、文化・政治な魅力を高め、その国を好きになってもらうことです。「クールジャパン」など最近は日本でも関心が高いですよね。「ハード・パワー」とはつまり軍事力や経済力などの他国を強制し得るパワーのことです。
国際社会の現実を考えると「ソフト・パワー」も「ハード・パワー」も必要だというのは確かにその通りなのかもしれません。日本人がある意味みんなで議論を避けようとしているのが異常なのかもしれません。
※2011年5月22日に書かれた記事に加筆・修正しました。

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